メルマガ・広報誌

vol.294(5月31日)

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◎ 王毅外交部長が太平洋島しょ国など8カ国歴訪、第2回中国・太平洋島国外相会合開催へ
(2022.5.25、 Excite ニュース)
 https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_894791/
 王毅国務委員兼外交部長は5月26日から6月4日にかけて、ソロモン諸島、キリバス、サモア、フィジー、
トンガ、バヌアツ、パプアニューギニアの南太平洋7カ国と東ティモールを公式訪問します。
また、ミクロネシア連邦へは「クラウド訪問」を行い、クック諸島の首相兼外相、
ニウエの首相兼外相とビデオ会談を実施し、フィジーで第2回中国・太平洋島国外相会合を主宰する予定です。

これについて、外交部の汪文斌報道官は24日の定例記者会見で、
「訪問期間中、王外交部長は各国の外相とそれぞれ会談し、国家元首、政府首脳と会見する予定だ。
今回の訪問は、中国とこれらの国々の政治的相互信頼を高め、各分野での協力を新たな段階に進め、
二国間関係の長期的発展に新たな原動力を注ぎ込み、
アジア太平洋地域の平和、安定、発展に積極的に貢献するものだ」と述べました。(提供/CRI)

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◎ 中国トップレベルの代表団がキリバスへ (2022.5.25、笹川平和財団)
https://www.spf.org/pacific-islands/breaking_news/20220525-1.html

【抄訳】
 中国の王毅外相は、地域の安全保障関係を強化するための太平洋訪問の一環として、
金曜日(5/27)にキリバスを4時間訪問する予定だ。
 2019年にキリバスが台湾から中国に忠誠を誓って以来、
両国のトップレベルの二国間会談は初めてとなる。
 中国が最近ソロモン諸島との間で、要請があれば同国への軍事駐留を認めるという
議論を呼ぶ協定を締結したことを受けて、安全保障上の交渉の可能性について懸念が広がっている。

 キリバス野党党首のテッシー・エリア・ランボーン氏は、1NEWSの取材に対し、
安全保障上の取り決めには、環礁の一つであるカントン島の軍事化や中国の支配が含まれると考えており
「重大な懸念」があるとし、
「フェニックス諸島保護区(PIPA)にある私たちの豊かな海洋領土は、確実に中国の支配下に置かれるだろう」と述べた。

 この地域は、米軍施設に近接する地理的戦略上、また豊富な漁業資源を有することから、価値がある。

 昨年、1Newsは、キリバス政府が海洋保護区であり世界遺産でもあるPIPAを捨て、
商業漁 業に開放しようとしていることを明らかにしたが、これは北京が主導したと見られる動きである。

 中国は、米国と豪州が警戒しているカントン島の滑走路とコーズウェイの改良のための
フィージビリティスタディにも資金を提供している。
 金曜日の二国間会談では、カントン島開発に関する議論も行われる予定であることが、
火曜日遅くに発表された。

 (キリバスの)マーマウ大統領のFacebookの投稿によると、
ハイレベルな国家訪問は「二国間パートナーシップと協力を強化・促進するものであり、
キリバス・中国関係にとって重要なマイルストーン」であるとしている。

 キリバス国境は新型コロナウイルス対策で閉鎖されたままであるが、中国代表団のために免除された。

 一行は空港に到着後、PCR検査を受けることになるが、(野党の)ランボーン氏は、
この訪問は超大国の影響力を示すものだとし、
「ロックダウン以来、中国人は制限なく出入国 しているが、
我々キリバス人の船員や他の国民は海外からの帰国まで 3年以上待たされた」
「私たちの民主主義体制は、実際のところ、私たちの主権そのものが攻撃を受けており、
民主主義国家としての存続するために支援が必要だ」と述べた。

 中国代表団は今夜(5/25夜)ソロモン諸島に到着し、
木曜日(5/26)にソロモン諸島政府と会談する予定である。
また、一行は日曜日(5/29)と月曜日(5/30)にフィジー、来週パプアニューギニアを訪問する予定だ。

 水曜日にニューヨークからメディアに語ったアーダンNZ首相は、
王毅外相が太平洋諸国の多くを訪問することは驚くことではないとし、
「私たちは、懸念を共有している分野では、(中国と)もちろん協力したいと強く思っている。」
「共通の懸念とは、気候の緩和や適応といった問題、地域における質の高い投資やインフラなどである。」
「軍事化も緊張の激化も望まず、平和と安定を望んでいる。」と述べた。

(訳:塩澤英之主任研究員)

【コメント】
 中国王毅外相の太平洋島嶼国歴訪に関する記事になります。
本日5/25から来週まで、ソロモン諸島、キリバス、フィジー、
パプアニューギニアなどを訪問する日程が記載されています。
その中で、キリバスは4時間ほどの立ち寄りのようです。

 過去の例を見ると、2006年に温家宝首相(当時)がフィジーを訪問し、
PIF事務局を含む会合で地域への支援パッケージ
(日本の太平洋島サミット直前の訪問で、日本が予定していたコミットメントに対抗するもの)を発表しました。
その際、例えばトンガに対しては2005年までの債務取消と新たな無償資金協力を約束しました。
現在のトンガの債務の多くは、同年11月に発生した国内暴動後、
都市部の復旧のための資金確保の過程で発生したものになります。

 2014年には、習近平国家主席は豪州でのG20後にフィジー(西部のナンディ)を訪問しました。
そこでは中国と国交を有する8カ国(当時)の首脳との首脳会談が開かれ、
中国は一帯一路構想に基づく南南協力を強化する発表を行っています。
その際、トンガは暴動からの復旧のために得た融資の債務免除や返還猶予期間の延長を中国に求めていました。
各国に対しては無償資金協力などの約束がされました。
ちなみにフィジーでは同時期にモディ首相の訪問(東部の首都スバ)を受けており、
当時私は現地にいましたが、大変目立ったモディ首相に比べ、
中国はあまりプレーアップされていない印象がありました。

 そのような観点から言えば、今回の王毅外相の歴訪はNZのアーダーン首相が述べているとおりであり、
協力できる分野は協力するというのが外交的スタンスだと思います。
一方で、地域秩序を乱す動きは認めない立場でしょう。

 キリバスに目を向ければ、フェニックス諸島カントン島の再開発の話があります。
居住者は20人以下です。私はフィジーにおり、
キリバスも担当していたことから首都タラワは数度訪問したことがありますが、
カントン島の再開発はキリバスが中国と国交を結ぶ以前からキリバスの国家開発計画に上げられていました。
一つの方法は、世界遺産・海洋保護区PIPAとして保護することで海外から保護区維持のための支援を受けつつ、
米国LAなどからチャーター便を飛ばすことでエコツーリズムに利用するというもの。
あるいは、海外との漁業交渉に絡めて、カントン島にマグロ水揚げ施設や漁船の燃料・物資を建設するというもので、
当時のキリバス政府の方は日本だけでなく、韓国、台湾など漁業国側に提案し、
どこかの国が話を進めていたというものがありました。


 キリバス側から見れば、結局のところ、どの開発パートナーもカントン島の開発に手を上げない中で、
中国が意欲を見せ、その他の経済協力を含めた合意を期待し、2019年9月に台湾から中国に国交を切り替えた、
ということになります。
なお、カントン島の開発については、米国とキリバスの友好協定があるため、
仮に米国の同意なしに軍事利用が明らかとなれば、同協定が破棄されない限り、
米国にはこれに対応する理由が発生します。

 もう一点、今回の記事で注目したのはフェニックス諸島海洋保護区(PIPA)の
商業漁業への開放とその背後に中国がいるのではないかという部分です。
最近、パラオでもEEZの80%を閉じたマリンサンクチュアリを一部解除して、
漁業関連収入を増やすという議論が巻き起こっています。
 パラオ国内の人々も当初は、保護区の解除=入漁料収入の増加、
という考え方がありましたが、実際の仕組みは異なります。
パラオ、キリバスを含む8カ国とトケラウがナウル協定締約国グループ(PNA)を作っており、
入漁料はVDS(隻日法)という仕組みにより、年間の漁業国への操業日の販売日数が、
加盟国に割り当てられます。
1日1隻あたりの単価は、全体日数を抑えることで、
VDS導入直後の2010年頃には2000ドル台でしたが2015年頃からは8000ドル台、1万ドル台と上昇しました。
 その販売日数は、加盟国間で取引が可能になります。
例えば、パラオ海域で不漁で日数が売れない場合でも、キリバス海域が豊漁であっという間に日数が売切れれば、
キリバスがパラオから余剰日数を買い取り、漁業国に販売することができるという仕組みです。

 この仕組みにより、パラオでは2015年にサンクチュアリ法が成立し、
徐々にクローズし、2020年にEEZの80%を禁漁にしました。
一方で、パラオに割り当てられたVDS日数は、
2015年以前は500日台だったものが、2020年以降には600~700日台に増えました。
結果的に、パラオは自国海域での操業は制限しながら、以前よりも入漁料収入を得ていたことになります。

 キリバスの場合、PIPAを解除して何が起こるかと言えば、その海域で外国漁船が操業することが可能となり、
カントン島の利用価値が高まるというところです。
一方、PIPA解除によりPNAがキリバスに対するVDS操業日数割り当てを増やすことになれば入漁料が増えます。
他国から日数を購入することで、販売日数を増やすこともできるかもしれません。
海域の狭いパラオと大きなキリバスでは構造が異なりますが、PIPAであれ、
マリンサンクチュアリであれ、変化として考えられるのは、
現地での漁業活動に伴う現地ローカル経済への影響といえるでしょう。

 中国王毅外相のキリバス訪問に戻りますが、中国が各国において、貿易・投資、開発協力、気候変動、
コロナ対応、食料安全保障、エネルギー(燃油高騰対策)、
そして地域安全保障(防衛・警察に関わる部分)の各分野についてどのような話がなされるのか、
約束が出されるのか注目されます。
それにより、今回8カ国を訪問との情報もありますが、
太平洋島嶼国それぞれのスタンスを推察できるようになるでしょう。(塩澤英之主任研究員)

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◎ ソロモン諸島訪問の中国・王毅氏「軍事基地を作る気はない」…米豪は警戒感 
(2022.5.26、読売オンライン)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220526-OYT1T50253/
 【北京=田川理恵、ジャカルタ=川上大介】中国の王毅ワンイー国務委員兼外相は26日、
南太平洋の島嶼とうしょ国ソロモン諸島を訪れ、ジャーマイア・マネレ外務貿易相と会談した。
王氏は6月4日までの日程で周辺7か国にも訪問する予定だ。中国がこの地域で影響力を強めることに、
米国やオーストラリアでは警戒感が広がっている。

26日、ソロモン諸島の首都ホニアラで、ジャーマイア・マネレ外務貿易相(右)
と共同記者会見を行う中国の王毅外相=AP

 中国外務省によると、両氏は会談で、農漁業やソロモン諸島の工業の近代化などで協力することで一致した。
王氏は「ソロモン諸島が国家の主権と安全、領土の一体性を守ることを断固支持する」と述べた。

 両国は4月、安保協定を締結。中国軍の派遣や海軍艦艇の寄港を認める内容とされるが、詳細は不明だ。
王氏は会談後の共同記者会見で「軍事基地を作る気はない」と主張した。
 中国は海洋進出のための補給拠点としてこの地域を重要視しており、
王氏は今回、ソロモン諸島のほかに、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、
パプアニューギニア、東ティモールも訪問する。

 ロイター通信などによると、王氏は30日、フィジーで島嶼国を集めた外相会合も予定している。
数百万ドル(数億円)の援助を提案するとともに、
中国が警察の訓練などで協力を拡大する合意文書を10か国と結ぶことを目指しているとも報じられている。

 米国務省のネッド・プライス報道官は25日の記者会見で、
文書の採択について「性急かつ透明性のないプロセスで交渉される可能性がある」と指摘。
アンソニー・アルバニージー豪首相も26日、豪メディアに対し、
「安保上のパートナーとして豪州が選ばれてきた地域で、中国が影響力を強めようとしている」と述べ、
警戒感をあらわにした。

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◎ 中国、太平洋の10カ国と安保協力模索 30日に会合(2022.5.26、 日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM261VK026052022000000/
【シドニー=松本史】中国がソロモン諸島など太平洋の島しょ国10カ国と、
この地域を包括する安全保障協力を強化する合意を目指していることが26日、わかった。

中国が各国の首脳らに送った草案を日本経済新聞が入手した。
中国は4月、ソロモン諸島と安保協定を締結した。ほかの9カ国とも同様に関係を深める構えだが、
相手国の反応は明らかになっていない。

 対象となるのは、太平洋地域の14カ国のうち中国と外交関係のある10カ国だ。
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は26日、ソロモン諸島を訪問。これから10日間かけ、
島しょ国7カ国と、東南アジアの東ティモールを訪問する。
関係者によると、30日にフィジーで「中国・太平洋島国外相会合」を開く。
ここで構想を披露する可能性がある。

 中国が島しょ国の首脳らに送ったのは「中国・太平洋島しょ国共同発展構想」の草案だ。

「地域の平和、安全、安定を促進するため伝統的、非伝統的な安保分野での交流と協力を強化させる」と明記する。

 草案は、中国が「2国間または多国間の枠組みを通じ、
太平洋島しょ国に中・高レベルの警察訓練を実施する」とも盛り込んだ。
「中国・太平洋島しょ国自由貿易地域」設立の可能性を検討するとも書かれている。

 島しょ国の首脳らに送られた別の文書である「5カ年行動計画」の草案には、
2022年中に「法執行能力と警察協力についての閣僚間対話」を実施すると記載されている。

 いずれの草案も、中国側の思惑の段階にすぎない。
中国と国交のある太平洋の島しょ国の一つ、
ミクロネシア連邦のパニュエロ大統領は20日付で地域の首脳らに書簡を送り、
中国側の提案が「新たな『冷戦時代』か世界大戦」につながる可能性があると指摘した。
ミクロネシア連邦は中国の提案を拒む姿勢を示している。

 中国は太平洋地域でインフラ整備を巡る経済支援をテコに影響力を強めてきた。
米国やオーストラリアは危機感を抱き、対抗姿勢を強める。
米国は4月、国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル・インド太平洋調整官をソロモン諸島に派遣し、
同国との戦略対話を立ち上げると決めた。
 豪州のアルバニージー首相は26日、ウォン外相を中国と外交関係を結ぶ島しょ国のフィジーに送った。
 太平洋の島しょ国の多くは地球温暖化の影響とされる海水面の上昇に直面し、
先進国の温暖化ガス排出削減とインフラ整備が重要だと認識している。
この分野で、中国に比べ米豪の関与が不十分だったと考える有力者は少なくない。
パニュエロ氏は20日付の書簡で「豪州は気候変動を喫緊の課題と考えるべきで、
米国はすべての太平洋島しょ国に外交代表を置き、支援に力を入れるべきだ」と主張した。

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◎ Japan funds local school - Post Courier (2022.5.27、 Post Courier)
https://postcourier.com.pg/japan-funds-local-school/
He said now they are so thankful to Japanese International Cooperation Agency (JICA)
 for coming good in assisting with funding for a four-in-one …

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◎ 豪新政権の太平洋地域外交、島しょ国指導者から肯定的反応=首相(2022.5.27、 ロイター)
https://jp.reuters.com/article/pacific-security-idJPKBN2NF04V

 [シドニー 29日 ロイター] - オーストラリアのアルバニージー首相は、
太平洋島しょ国向けの外交政策について、同地域の指導者らから肯定的な反応を得ていると述べた。
 中国が太平洋島しょ国で影響力を強めつつあり、アルバニージー首相は安全保障面も含め同地域を重視している。

 29日に放送されたテレビのインタビューで、
発足間もない政権のアプローチに対する太平洋島しょ国指導者らの反応について聞かれ、
「非常にポジティブだ」と答えた。
 これまでには太平洋地域での計画として、防衛訓練学校、海洋安全保障支援、援助の強化、
気候変動への取り組みを挙げている。
 同日付のシドニー・モーニング・ヘラルド紙は、
100人以上の豪国防関係者が合同軍事演習のためにパプアニューギニアを訪れ、
サイバー脅威への対処と総選挙の実施を支援すると報じた。

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◎ 中国、太平洋諸国との安保合意見送り 対米関係配慮か(2022.5.30、 日経)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM3016E0Q2A530C2000000/
【シドニー=松本史、北京=羽田野主】

南太平洋の島しょ国、フィジーを訪問中の中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は30日、
地域10カ国の外相らとオンラインで「中国・太平洋島国外相会合」を開いた。
中国が目指していた10カ国全体との安全保障協力の強化に向けた協定案は土壇場で合意が見送られた。
秋の共産党大会を前に、米国を刺激して対米関係を悪化させるのを避けたとの観測も出ている。

 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は30日、同外相会合に書面でメッセージを寄せた。
「国際情勢がどのように変わろうと中国はずっと太平洋の島国の良き友人だ」と強調。
「中国と太平洋の島国の運命共同体を構築していきたい」と結んだ。

 外相会合には中国と国交を持つ太平洋島しょ国の外相らが参加した。
今回は2021年10月に続き2回目だ。

 中国が目指した安保協力強化の合意に対しては、
米国と安保上の関係が深いミクロネシア連邦が事前に書簡で「地域の安定を脅かす」と反対を表明していた。
豪公共放送ABCは外相会合後、関係者の話をもとに「中国はいったん、提案について棚上げする」と伝えた。
中国側は提案について今後も地域と交渉を続ける方針を示したとしている。
 外交上のメンツをことさら重視する中国が自らの提案を棚上げするのは異例だ。

緊張が高まる米中関係と共産党内の権力闘争が影響しているとの見方もでている。

 党内では米国との対決も辞さない強硬派と、融和を探る穏健派が混在している。
とくに今年の秋は習氏が3期目を目指す5年に1度の党大会があり、
対米外交は大きな争点になり得る。バイデン米政権は米中首脳協議の開催を探っているとの観測がでており、
太平洋で米国をこれ以上刺激しないように、いったん提案を棚上げした可能性がある。

 実際に中国メディアはここのところ対米批判を抑制気味だ。
中国共産党の機関紙、人民日報は28日付の重要コラム「鐘声」で「中国は米国と競争するつもりはなく、
相互尊重を基礎に中米関係の発展に努めている」と主張した。首脳協議に向けて環境整備を進めているとみられる。
 会合後に王氏と共に記者会見したフィジーのバイニマラマ首相は
「中国は(外相会合に)参加した10カ国にとって重要なパートナーだ」と述べた。
そのうえで「新たな地域協定に関する議論では、我々は常に(参加国の)意見の一致を優先する」との立場を説明した。
 王氏は26日に訪問したソロモン諸島を皮切りに、キリバス、サモアを経てフィジー入りした。
中国は4月に安保協定を結んだソロモンと病院建設に関する書面を交わし、
キリバスではインフラ開発や医療品支援など10の文書に署名した。
サモアとは外交関係強化に向け経済・技術面での協力で合意したほか、
警察学校の建設に関する書面も交換した。
 太平洋島しょ国と歴史的に関係が深いオーストラリアと米国はこうした中国の動きに警戒を強めている。
23日に豪新首相に就任したアルバニージー氏は外相のウォン氏を26日からフィジーに派遣。
ウォン氏は27日にバイニマラマ氏と会談した。
 米国も26日、フィジーが米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に参加すると発表している。
秋の共産党大会終了後、地域を巡る米豪と中国の勢力争いは一気に激しさを増す可能性がある。

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◎ 中国、南太平洋で外交攻勢「島しょ国の友人だ」
 10カ国外相会合では安保面の合意できず(2022.5.30、 東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/180495
 【北京=坪井千隼】南太平洋の島しょ国など8カ国を歴訪している中国の王毅国務委員兼外相は30日、
フィジーで島しょ国10カ国との外相会議をオンラインで開催した。
ロイター通信によると、経済面の連携強化などについては一致したが、
中国側が求めていた安全保障での協力は合意できなかった。
米国やオーストラリアの懸念に配慮した一部の国が反対したためとみられる。


 中国国営中央テレビなどによると、習近平国家主席は外相会議に書面であいさつを寄せ、
「中国は島しょ国の友人だ。運命共同体を築きたい」と述べた。
 中国は4月、艦船や軍隊の派遣を認める内容の安全保障協定をソロモン諸島と結んだ。
ほかの島しょ国とも安全保障面での協力強化を模索しているが、ロイターによると、
今回の外相会議ではミクロネシア連邦が反対したとみられる。

 王氏は27日にはキリバスでマーマウ大統領と会談し、「国交樹立以来、両国関係は発展し、
国民に実質的な利益をもたらした」と強調した。
キリバスは2019年9月、台湾と断交して中国と国交を樹立。英紙フィナンシャル・タイムズによると、
中国はキリバスとも安全保障協定締結に向け交渉を進めている。

 またサモア政府の声明によると、28日のフィアメ首相と王氏との会談では、
経済や技術分野での協定を締結したほか、安全保障についても議論した。

 一方、南太平洋地域で強い影響力を持つオーストラリアや米国は、
中国の影響力拡大を警戒して巻き返しを図っている。
バイデン米政権は26日、米国主導の経済圏構想
「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」にフィジーが加わると発表。
ウォン豪外相は同日、フィジーを訪問し

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◎ 新型コロナウイルスに関する注意喚起
(第153報) (2022.5.24、 在PNG日本国大使館) 
https://www.png.emb-japan.go.jp/files/100347767.pdf
  パプアニューギニアにお住まいの皆様及び渡航中又は渡航予定の皆様へ
●PNG当局の発表によれば、5 月 17 日(火)~5 月 23 日(月)の間に確認された
新たな 国内感染者数は合計 127 名で、このうち 121 名の感染が NCD で確認されています
。総選挙 期間中は各所で人が集まり、密となることから急激な感染拡大が懸念されていますので、
引 き続き感染防止対策を徹底いただきますようお願いします。
●5 月 23 日現在の累計感染者数:44,403 名(+127 名)
●5 月 23 日現在の累計死者数:651 名(+0 名)
●5 月 23 日現在の各州感染者数内訳
NCD:12,317 名(+121 名)、セントラル州:1,277 名(+1 名)、ガルフ州:645 名、
ウ ェスタン州:3,746 名、ミルンベイ州:1,586 名(+1 名)、ノーザン(オロ)州:657 名、
モロベ州:2,606 名、マダン州:1,789 名、東セピック州:758 名、西セピック州:881 名、
東ハイランド州:2745 名、チンブ州:1,183 名、ジワカ州:523 名、西ハイランド州:3,142 名(+3 名)
南ハイランド州:1,304 名、エンガ州:1,239 名、ヘラ州:1,074 名、マヌス 州:904 名
、東ニューブリテン州:2,394 名(+1 名)、西ニューブリテン州:1,244 名、
ニ ューアイルランド州:1,188 名、ブーゲンビル自治州:1,201 名
※( )内は 5 月 16 日時点との比較。

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