メルマガ・広報誌

vol.165(9月20日)

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◎ 今年も 上原敏の歌を聴く会  開催のご案内

例年パプアニューギニアで先の大戦で戦死された昭和歌謡の大御所
「上原敏さんの歌を聴く会」が次の要領で開催されます。

お申込みは、協会事務局で代行しております。

日時: 平成30年10月20日(土)   13時ー17時
場所: 専修大学 神田キャンパス5号館(7階)571号室
会費: 3000円 当日

アクセス:九段下駅:東西線、半蔵門線、都営新宿線 九段下駅5番出口 徒歩3分
     神保町駅:都営三田線、都営新宿線、半蔵門線 神保町下車A2出口 徒歩3分

主催者 当会会員矢野信雄様より

今年も上原敏さんの季節がやって参りました。没後75年の歌声は、未だに色あせる事無く、
聴く者達を魅了してくれます。今年も感涙に咽んだ数々の作品を今一度ご堪能頂ければと
企画いたしました。 後輩、田端義夫さんや作家、阿久悠さんの幼年時代、又敏さんと
同時代に「綴り方教室」で天才文学少女と称賛され、戦後も活躍された作家の豊田正子さん達の
貴重な作品を是非お聴きいただければと思います。志生野温夫アナウンサーの名調子で綴られた、
美しい上原敏さんの世界でお過ごしいただければ幸いに存じます。


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◎ 「連れ帰ってあげたい」 祖国へ㊤  (2018.9.13、大分合同新聞)
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/09/13/JD0057309503
 戦後73年。大分市小野鶴南の戦没者遺児、佐藤富彦さん(76)が
日本軍兵士の遺骨収集に取り組んでいる。
活動しているのは、父が命を落とした南太平洋の島。「大勢の若者が国のために死んだ。
一人でも多く、祖国に連れて帰ってあげたい」。2年前から国の収集・慰霊事業に参加し、
異国に取り残された亡きがらを拾い集めている。

 日本から南方へ約5千キロ。熱帯雨林が広がるパプアニューギニアのブーゲンビル島は、
飛行機とボートを乗り継いで2日がかりで到着する。
 四国の半分ほど(約9300平方キロメートル)の島は日米の激戦地だった。
戦争初期は日本が占領していたが、度重なる米軍の攻撃で戦況は悪化。
飢えや病に苦しみ、日本軍計3万3千人が犠牲になった。
 佐藤さんは7月21日~8月9日の20日間、
日本戦没者遺骨収集推進協会(東京都)の活動に加わった。
現地に赴くのは2016年以降3回目。県遺族連合会によると、
県内からはこの10年でただ一人の参加という。

証言など手掛かり
 今回は遺族や協会職員の計6人が派遣された。
 遺骨は日本軍の塹壕(ざんごう)跡などに多く、地中2メートルほどに眠っている。
戦争に勝った連合国(米英など)が遺体の腐敗を防ぐため、
壕を安置場所にして積み重ねていったとみられる。
 捜索は軍の記録や現地住民の証言を手掛かりに進める。
「どこに埋めたのか」「この辺だろう」。
協会が雇った住民らと一緒にスコップで掘っていくと、骨のかけらが現れる。
 既に土に返った部分も多い。
足の大腿(だいたい)骨や脛骨(けいこつ)といった太い部位は形を残しているという。
 大腿骨2本で1人分を示す「1柱」と数える。
 「1カ所から20柱近く出ることもある。まとめて埋めたのだろう。
ヘルメットや飯ごうといった装備品も一緒に見つかる」と協会の担当者。
柱数にカウントできないような細かい骨も全て回収する。

150柱掘り出す
 佐藤さんは、はけで土を払う「洗骨(せんこつ)」を担当した。
風化の著しい骨は手にした瞬間、崩れ落ちることもある。
 敗戦からの歳月を痛感し、やるせない思いが頭をよぎる。
「無念の思いを抱えて死んでいった若者たちだ。
ようやく日本に帰してやれると思うと、最初は涙があふれて作業ができんかった」

 今回は約150柱を掘り出した。毎年3月にまとめて日本に持ち帰るため、
それまでは現地に保管する。
帰還後は厚生労働省に引き渡し、大半が身元不明のため千鳥ケ淵戦没者墓苑(東京都)に納める。
 ブーゲンビル島は、これまでに約1万柱の収容を終えた。
遺骨はまだ2万3千人分あるとされる。
 「あと数十年たてば、ほとんどの骨が土に返るだろう。
今のうちにやれることをやっておかねば」
 佐藤さんは語る。

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◎  新興国が資金調達難に直面、市場急落で 
(2018.9.11、The Wall Street Journal)
 https://jp.wsj.com/articles/SB12598231316112044164404584464503984006422

 新興国市場の急落によって途上国の企業や政府が海外で起債する能力は損なわれ、
既存債務の返済は難しくなっている。そうした地域の経済成長は抑制される可能性もある。

 過去最高を記録した2017年をへて、新興国の債券発行体が6月、7月、8月に海外で調達した資金は、
いわゆる「テーパー・タントラム」
(米量的緩和縮小の示唆を受けた市場の動揺)が起きた2013年以降で最低となった。

 現在の低迷は、数年に及ぶ中央銀行の刺激策や、
最近の世界同時成長に恩恵を受けてきた新興国市場の力学が変わりつつあることを浮き彫りにしている。
今や米国の金利は上昇し、ドルは急伸している。保護貿易主義に加え、
トルコやアルゼンチンのような大国の国内問題にも懸念が高まっている。
こうした状況を受け、債券発行は以前より割高になっている。
 新興国の企業はこの夏、自国市場以外で主にドル建て債を発行し280億ドルを調達した。
だが、調査会社ディールロジックによると、これは前年同期比で60%超の減少となる。
新興国の政府の調達額は212億ドルで、やはり40%以上の減少だった。

 新たな起債が延期や中止になる中、市場に参入する発行体はドル建て債の利率を以前より高く設定している。
今週予定されているパプアニューギニアの起債は、
新興国市場のリスクに対する投資家の許容度を測る重要な試金石になるだろう。

 投資家や銀行は年内の起債について、低調が続くと見込んでいる。
 米銀行大手シティグループで中東欧・中東・アフリカ地域の債券市場責任者を務める
サマド・シロヘイ氏は「あらゆる好条件がそろっていた2017年より起債額が減ることは分かっていた」と話す。

それでも「過去4カ月間は平均をかなり下回っている」という。
 インドネシアの不動産開発大手インティランド・デベロップメントは8月初め、
期間3年、利率11.5%の債券発行で最大2億5000万ドル調達する計画を取り下げた。
事業部長のテレシア・ラスタンディ氏は不利な市場環境をその理由に挙げた。
 市場参入を目指す企業はそれ以上に高い利率を提示する必要があるかもしれない。
中国石油化工( シノペック )は先週、30億ドルを起債調達する予定だったが、
投資家がより高い利率を要求したため、調達額は24億ドルにとどまった。
 シノペックにコメントを要請したが回答はなかった。

 信用の伸び鈍化によって経済成長に悪影響が及ぶと同時に、
既存債務の返済は一段と難しくなると懸念されている。
ディールロジックによると、例えばアジアの企業には、
年内に償還期限を迎えるドル建て債が380億ドル相当もある。

 確かに、アナリストの多くは債券市場の低迷が年内いっぱい続いたとしても、
発展途上国・企業の大半は乗り切れるはずだと考えている。
その主な理由としては、新興国のドル建て債の償還期限が近年長期化しているため、
既存債務の返済や借り換えをしなければならないという借り手の切迫感が薄れていることがある。
アジアの一部を含むいくつかの途上国では起債が持ちこたえている。
一部の企業や国は金利上昇を見越して年初に資金を調達したが、
今年の起債を前倒ししていたのかもしれないと銀行はみている。
 だが、キャピタル・エコノミクスの新興国市場専門家、ウィリアム・ジャクソン氏は、
こうした厳しい状況が長引けば、
トルコの銀行やアルゼンチン政府などでデフォルト(債務不履行)が起きるリスクは高まると述べた。


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◎ 秋以降「エルニーニョ現象」発生か?異常気象のおそれ 
(2018.9.12、Hazard Lab ) https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/6/26476.html

この秋以降、南米ペルー沖の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が
発生する可能性が高いと気象庁が発表した。


発生した場合、日本では暖冬傾向となり、世界中で異常気象をもたらすおそれがある。
 気象庁によると、現在はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も起きていない状態が続いているが、
太平洋の赤道海域西部で海面水温が高い暖水がたまっているのが観測されている。

 今後、東から吹いてくる貿易風(東風)が弱まると、暖水が東へ向かうことで、
ペルー沖の海面水温が上昇し、エルニーニョ現象が60%の確率で発生する可能性があるという。

 世界気象機関(WMO)も今月10日、年内にもエルニーニョ現象が70%の確率で発生する見通しを示した。
 エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、それぞれ数年おきに発生しており、
最近では2014年夏から2016年春にかけてエルニーニョ現象が、
2017年秋から今春にかけてラニーニャ現象が発生している。
 とくに前回のエルニーニョ現象は、海面水温が平年の基準値より3℃上回り、
観測史上3番目に発達した「スーパー・エルニーニョ」となった。
この期間は、インドネシアやタイなどの東南アジア諸国で集中豪雨などの水害が起こった一方、
パプアニューギニアやバヌアツでは深刻な水不足をまねき、
干ばつの影響で食糧不足が懸念されるなどの異常気象が観測された。


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◎ 最期の地「いつか慰霊に」 祖国へ㊦  (2018.9.14、大分合同新聞)
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2018/09/14/JD0057313381
 顔を見た記憶がない。
 享年31。父親は74年前、パプアニューギニアのブーゲンビル島で死んだ。
 現地で「ご苦労さまでしたと伝えたい」―。
大分市小野鶴南の佐藤富彦さん(76)が遺骨収集事業で南太平洋に赴く理由だ。
 父有麿(ありま)さんは大分郡野津原村(当時)出身。第2次大戦末期の1943年4月に徴兵され、
半年後、島に派遣された。
 戦禍に倒れたのは1年後の44年3月9日。妻や3人の子どもを日本に残したまま、
帰らぬ人となった。
 戦後、自宅に「戦病死」の通知だけが届いた。

険しい密林地帯で
 「墓島(ぼとう)」―。
 日本兵のしかばねが並んだ島は戦時中、そんな異名が付いた。
高温多湿の熱帯雨林。米軍の猛攻で補給が断たれた43年秋ごろから、
日本軍は飢餓やマラリア感染で衰弱していった。

 戦闘どころではない兵士も多かった、と伝わる。「父もむごい状況で死んだ。
幼い子を国に残し、悔しかったと思う」。南方の密林で迎えた最期を想像し、佐藤さんは涙を拭った。
 65歳で建設会社を退職してから、父の歩みや戦争の歴史を調べ始めた。
「現地を見てみたい」と2011年に慰霊の旅に参加し、機上から参拝。
16年3月に初めて国の遺骨収集事業に加わった。
 亡くなった場所は標高約300メートルの密林地帯と聞いている。
 今回の活動地点から3~4キロほど離れ、険しい地形のために訪れることができなかった。
 「いつか慰霊に行くことができたらうれしい」
 今後の進展を願う。

未収容112万人
 国を守るために多くの若者が戦地に散った。
 遺体は野ざらしにされ、連合国によって無造作に埋められた。
 厚生労働省によると、海外戦没者は240万人。うち112万人分は未収容だ。
遺骨の帰還は国がやり残した「戦後処理」でもある。
 遺族や体験者が高齢化する中、収集を「国の責務」とする
戦没者遺骨収集推進法が16年3月に成立。
24年度までの9年間を集中実施期間としたことで、ようやく活動は本格化した。
 佐藤さんは10月で喜寿を迎える。
「島に眠る遺骨は皆、父の戦友たち。体が続く限り
、一人でも多く祖国に連れて帰るのが私の役目だと思っている」
 来年以降も現地に足を運ぶつもりでいる。


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◎ K-1】城戸康裕、タイトルマッチ延期でパプアニューギニアの飛び回し蹴り男と対戦 
(2018.9.18、イーファイト)
https://efight.jp/news-20180918_305252

 11月3日(土・祝)さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで開催される
『K-1 WORLD GP 2018 JAPAN~第3代スーパー・ライト級王座決定トーナメント~』の記者会見が、
18日(火)都内にて行われた。

 新たに発表された対戦カードは、城戸康裕(35=谷山ジム)vsジョナサン・トゥフ(25=パプアニューギニア)。
トゥフは筋骨隆々の肉体と全身バネのような身体能力を持ち、
現在はタイに移住してムエタイルールを中心に試合を行っている。
過去に飛び回し蹴りで相手を立ったまま失神させ、そのKOシーンが話題となった。

 当初、城戸はK-1 WORLD GPウェルター級王者・久保優太とのタイトルマッチが内定していたが、
久保が交通事故に遭い練習が再開できず静養している状態のため、
ワンマッチで今大会に参戦することになった。

 城戸は「久保君、出来ますよね、多分。残念ですよね、そういう気持ちがデカい」と
タイトルマッチが延期になったことを残念がりながら、
「それよりも自分の左足がめっちゃ痛い。

練習の時にスネとスネが当たって、4日後に39度近い高熱が出て5日間くらい続きました。
足がパンパンで息を吹きかけるだけで痛いです。なので今回は左を蹴らないです。
(相手にも)言ってやろうと思っています。
お互い左で蹴るのやめない?って」と、蜂窩織炎(ほうかしきえん)になってしまったことを報告。

「相手がバキバキの黒人選手だと言われていて、かなりビビッてます。若い感じの飛び回る系の感じだし、
昆虫のような素早さ。
あまり得意じゃないというか、やりたくないというか、早く帰りたいというか。早く足を直します」と、
トゥフとの対戦がかなり不満な様子。

 久保には「僕は期待していて、やろうね、
やりましょうとKrush名古屋大会で会った時にも言ってた矢先の話でした。
こうなったからには久保君には煽り映像に出てもらいます。オファーを出します」と、
試合前恒例の煽り映像に出演してもらわないと割が合わないという。
ただし、「3月にやるためにこうなったのかなと考えました。俺も万全じゃないし」と
、2019年3月10日に開催が決定したビッグマッチ『K'FESTA.2』で実現できればいいと話した。

 対戦するトゥフについては「パプアニューギニアの選手と戦うのは初めてです。
部族のイメージとバンジージャンプの国、それくらいのイメージですかね。
ノリがいいのか悪いのかも分からない。

嫌いなんですよ、こういうの。飛び回し蹴りで本当に立ったまま失神させていましたからね、
やめてもらいたい。あれも無しってことで」と、とにかく嫌そうな城戸。

 奇しくも出演したAKB48のドラマ『マジムリ学園』では、
最後に主人公の飛び回し蹴りを喰らって失神させられている。
「あのKOはヤバかった。セリフが飛んじゃいそうでした」と、
2度と飛び回し蹴りは喰らいたくないと語った。
 トゥフは「パプアニューギニア出身のファイターとして、
昔から夢見ていたK-1のリングに立てることに興奮している。
日本のファンには俺のスピード感と爆発力を感じてほしい。
俺の豪快なKOで日本のファンに興奮を届ける。
城戸は経験豊富な選手だが、俺は城戸を完全に破壊する」と、強気なコメントを寄せている。
<決定対戦カード>
▼スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R延長1R
城戸康裕(谷山ジム/K-1 WORLD MAX 2008日本トーナメント王者)
vs
ジョナサン・トゥフ(パプアニューギニア/WKFインターコンチネンタル・ウェルター級王者、
WMC I-1世界ムエタイ王座決定トーナメント2018準優勝)

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◎ 東・東南アジア地域の各種の地質情報を共有する総合システムを公開
(2018.9.18、産総研)
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180918/pr20180918.html・概要

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)
地質調査総合センター【総合センター長 矢野 雄策】 研究戦略部 国際連携グループ付 宝田 晋治らは、
東・東南アジア地球科学計画調整委員会(CCOP)の加盟国と共同で、
東・東南アジア地域の各種地質情報の共有化を可能とするCCOP地質情報総合共有システム
(以下「本システム」という)を開発した。

CCOP地質情報総合共有(CCOP Geoinformation Sharing Infrastructure for East and Southeast Asia: GSi)
プロジェクト(以下「本プロジェクト」という)は、CCOP各国が保有する各種地質情報
(地質図、地震・火山災害、地質環境、地下水、地球物理、地球化学、リモートセンシング、
鉱物資源など)の数値化を進め、国際標準形式でウェブ公開し、
東・東南アジア地域の地質情報の総合的なデータ共有システムの構築を目的としており、
2015~2020年を実施期間とする。
本プロジェクトは、産総研 地質調査総合センターの研究成果・手法を
"国際標準"としてアジアに展開するとともに、
全世界地質図提供プロジェクトOneGeologyなどの各種の国際プロジェクトとの連携を図り、
東・東南アジア地域の情報発信の推進役を果たすことを目指している。

なお、本システムは、2018年9月18~20日にマレーシアのランカウイで開催される
第3回CCOP地質情報総合共有プロジェクト国際ワークショップで、正式公開される。

・開発の社会的背景
東・東南アジア地域のCCOPに加盟する各国の地質調査機関では、これまで長年にわたり、
地質図を始め、多くの地質情報を出版している。
しかし、それらはまだ紙ベースであることが多く、
電子化されていても一部が画像データやPDFデータとして公開されていることがほとんどであり、
それらを利用するには、さまざまな障壁があった。
近年、各国で地質関連情報を地理情報システム(Geographic Information System、GIS)により数値化し、
利用することが広がってきたが、多くの場合これらの数値化データは、
各地質調査機関内部での利用にとどまることが多く、広く一般には公開されていなかった。
そのため、各国の地質調査機関が保有する各種地質情報について数値化を促進し、
国際標準形式で共有化する本プロジェクトを
、2015年に産総研 地質調査総合センターが主導し立ち上げた。
・研究の経緯
本プロジェクトは、2014年10月にパプアニューギニアで開催されたCCOP管理理事会で、
日本が提案し了承されたCCOPの主要プロジェクトの1つである(図1)。
2015年9月にタイでキックオフ会合が開かれ、
カンボジア、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、パプアニューギニア、フィリピン、
タイ、ベトナムの11カ国から23名の代表が参加し、本プロジェクトの目標、今後の計画、
データポリシーなどを合意した。
2016年9月にインドネシアで第1回国際ワークショップを開催し、暫定共有システムへのデータ掲載の技術講習、
各国の5年間のデータ整備計画を検討した(9カ国から47名参加)。
2017年12月にラオスで第2回国際ワークショップを開催し、システムの開発についての討論や、
モバイル版の技術講習を行った(10カ国から22名参加)
・研究の内容
本プロジェクトは、(1) 地質情報の共有化、(2) 地質情報の社会への還元、(3) 国際標準化、
(4) 各国スタッフの能力向上、を目的としている。
CCOP各国が保有する各種地質情報の数値化・高度化・アーカイブ化を進め、各国が協調して、
東・東南アジア地域における地質情報の総合データベースの構築を進めている。
本プロジェクトにより、社会に役立つ情報の提供、ユーザーからのアクセス性の向上、
地質災害・環境・資源関連情報の提供、各種アウトリーチ活動での利用、が図られる。
本システムは、Open Geospatial Consortium(OGC) による国際標準技術を用いており、
相互運用性の向上、他のOneGeologyなどの国際プロジェクトとの連携などが期待できる。
また、オープンソースであるため維持管理が容易である。
さらに、WebGISやデータベース構築技術の普及、各国スタッフへの
教育、講習会やマニュアルによる技術移転などを進めている。
本システムは、CCOP各国の地質関連データを共有する総合プラットフォームとなっており、
比較的簡便に、地質関連データをシステムに掲載する機能を提供している。
現在、地質図、地震、火山、地質災害、環境、地球物理、地球化学、地下水、地熱、リモートセンシング、
地形図など、全部で428のデータが掲載されている。
また、国ごとやプロジェクト単位でポータルサイトを作成する機能がある。
現在、各国のポータルサイトの他、ASEAN鉱物資源データベース、CCOP地下水プロジェクト、
OneGeologyプロジェクト(アジア版)など19のポータルサイトがある(図2)。
さらに、モバイルデバイス用のサイトも用意されている。
作成中のデータなどについては、アクセスコントロール機能により、
関係者だけが閲覧できるような仕組みを提供している。
・今後の予定
本システムでは、東・東南アジア地域の地質や地震、津波、火山関連の情報、鉱物資源、
地下水、地熱などの資源関連情報、衛星画像データなどが閲覧できる。
また、GISソフトウェア上で重ね合わせて利用できるため、各方面でさまざまな目的での利用が可能である。
例えば、海外に進出予定の企業が現地の地質・災害・鉱物資源・地下水などの情報を入手して事前の検討を行う、
大学や研究機関での地質関連の研究に役立てる、ジオパークや教育機関で利用する、
一般旅行者が利用するなどの用途が期待できる。
本プロジェクトでは、さらにデータを拡充し、データの質と量の充実化を図り、また、システムの機能向上、
講習会の開催による各国スタッフの能力向上を図る予定である。
本システムは、CCOP加盟国(14カ国)で現在行われている各種プロジェクトの成果を公開するための
標準プラットフォームとしても利用される予定である。
また、OneGeologyなどの各種の世界的なプロジェクトと連携し、
東・東南アジア地域の地質関連情報が広く世界で活用されるようにしていく。
そして、産総研 地質調査総合センターが中核となり、
東・東南アジア地域の総合データベースとして、広く活用されるシステムとして、発展させていく計画である。 
・用語の説明
◆CCOP
東・東南アジア地球科学計画調整委員会(http://www.ccop.or.th/)。
1966年に、国連アジア太平洋経済社会委員会の下に設立された。
地球科学分野のプロジェクト、ワークショップなどの推進、調整を行う政府間機関。
持続可能な資源開発、地質情報の整備、地質災害の軽減、環境保護のための人材育成、技術移転、情報交換、
組織間の連携を推進している。

現在の加盟国は、カンボジア、中国、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、パプアニューギニア、
フィリピン、シンガポール、タイ、東ティモール、ベトナムの14カ国。
◆OneGeology
2007年の国際惑星地球年にスタートした、
世界各国の地質調査機関が協力して進めているウェブによる全世界地質図提供プロジェクト
http://www.OneGeology.org/)。
100万分の1スケールの地質図を手始めとして、世界規模で最高品質の地質図データを公開することを目的としている。
現在は、119の国の地質調査機関が参加している。より詳細な地質図の提供、3次元地質図の検討も進めている。
◆Open Geospatial Consortium
地理情報の国際標準化に取り組んでいる非営利団体(http://www.opengeospatial.org/)。
さまざまな地理情報をインターネット上で扱うための国際的な規約を定めている。
◆WebGIS
インターネット技術を使用したGIS(地理情報システム: Geographic Information System)。
ウェブ上でさまざまな地理情報を扱うためのシステムである。
ェブ上のデータが位置情報や付加情報を持っており、さまざまな情報と重ね合わせ、解析することが可能である。


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◎ 海保庁がASEAN等の海保実務者に救難・環境防災の研修 
(2018.9.19、アセアンポータル) https://portal-worlds.com/news/asean/15081

日本の海上保安庁は、インドネシア・マレーシア・フィリピン・パプアニューギニア
・スリランカの海上保安機関実務者を対象とした
「救難・環境防災コース」を9月25日から2か月間にわたって実施する事を発表した。

この研修は、国際協力機構(JICA)の枠組みのもとで、開発途上諸国の海上保安機関職員を招へいし、
国連・国際海事機関(IMO)が定めるモデルコースに準拠した、
救難・環境防災に係る知識・技能の向上のための研修である。
この研修は、日本の技術協力プログラムに基づいて、昭和57年から実施されている
昨年までには、アジア地域を中心とした64か国2地域から合計で527人の参加者を受け入れていた。
今年度も従来と同様に、5か国から9人が参加する研修が開催される事となった。

今回の研修では、実際に救難・環境防災業務に携わる各国の現場指揮官に対して、
捜索救助、海上防災、環境保全等に関する講義を行う。
また、救助調整事務に従事している日本の海上保安官との連携訓練、
海上災害防止センターでの実験水槽、造波プール等を用いた油除去実習等も実施する。

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